4月29日、東京都千代田区の星陵会館において「昭和の日をお祝いする集い」が開催された。新型コロナウイルスの感染拡大により一昨年は中止、昨年は実行委員のみの出席となったこの集いだが、本年は3年ぶりに一般来場者出席の下、昭和の日を祝った。
なお、本年は沖縄が昭和47年に沖縄の施政権がアメリカから日本に返還されて50年の節目の年であり、「沖縄祖国復帰50年」が集いのテーマとなった。
司会は戦後問題ジャーナリストの佐波優子氏。
第一部は本年も奉祝式典として実施された。冒頭の国歌斉唱は残念ながら本年も感染予防のために発声を自粛。石垣仁薫・実行委員によって「昭和の日」宣言が朗読された後、主催者を代表して大原康男・実行委員代表が挨拶に立った。大原代表は、「沖縄祖国復帰50年」の本年「集い」のテーマを念頭に、“昭和”と“沖縄”について深く考える1日とすることを呼びかけた。
続いて来賓として自民党組織運動本部長代理の佐藤正久・参議院議員が祝辞。自衛官時代のイラク派遣の経験として、昭和の日本の戦後復興がイラクの人々にって憧れであったというエピソードを披露した。
なお、所用により欠席された明治の日を実現するための議員連盟会長の古屋圭司・衆議院議員からメッセージが届いた。松井一郎日本維新の会代表・馬場伸幸同共同代表および山谷えり子参議院議員からの祝電が披露された後、緑村流緑村吟詠会・会長の渡邉誠道氏が沖縄にまつわる昭和天皇御製を奉唱。
沖縄の人もまじりていさましく広場をすすむすがたうれしき
思はざる病となりぬ沖縄をたづねて果たさむつとめありしを
その後、金子宗德・実行委員の発声により出席者が聖寿万歳を三唱した。
第二部は、産経新聞編集委員の宮本雅史氏による「悲願の祖国復帰から50年~沖縄が発する国家への無言の問い~」と題する記念講演。宮本氏はかつて産経新聞那覇支局長を務め、沖縄に4年間居住した経験がある。
冒頭、宮本氏より「昭和天皇は今の本土と沖縄の関係に満足しておられるだろうか?」との問題提起がなされた。叶わなかった昭和天皇の沖縄訪問の願い、沖縄の被害者意識を呼び起こそうとする教育とマスコミの問題へと話は続き、終盤は「政策はあったが戦略はなかった」とただ補助金を出すだけで沖縄と本土の距離を近づけることを怠ってきた日本政府を批判した。
そして、民間に対しては罵り合うだけでは明るい未来は見えないと語り、沖縄を責めるのでも同情するのでもなく「沖縄に惚れましょう。恋しましょう。」と呼びかけた。
最後に、髙池勝彦・昭和の日ネットワーク事務総長が主催者を代表して挨拶を行い、本年の集いも盛況裡に幕を閉じた。
〔記・清原弘行〕